フランスで甲州が躍動している!?本当に日本ワインは世界で活躍しているのか?

Kura Masterコンクールと呼ばれるフランス・パリで開催されているコンクールがあります。
優れたワインを評価する一般的なワインコンクールですが、「甲州」の日本ワインコンクールも新設されたことで日本でも話題となりました。
甲州は高く評価されているものの、まだまだ世界的にはマニアックな存在です。
なぜ、世界的なコンクールで甲州が新設されたのか、その背景について考えていきましょう。

そもそも日本を知ろうのコンクール
フランスのパリで開催されるコンクールと聞くと、世界的権威ばかりが集まるとんでもないコンクールといったイメージを持つ方が多いかもしれません。
実際に素晴らしいコンクールですが、そもそも日本の酒類の魅力を世界へ広めるという使命のもとで開催されているコンクールであり、日本酒から泡盛、焼酎、梅酒に至るまで日本のお酒を知り広めようといった思惑から開催されているものです。
そのため、今回は甲州が追加された理由は主に日本ワインとして輸出するにあたって甲州が多いこと、世界的コンクールでも有名で日本的であること、こういった部分が考えられます。
日本にとっては嬉しいことですが、現地の反応としてはまだ高額であり知名度も低いといった部分がネックだと言われています。
フランスの飲食業界で甲州が注目されることになれば輸出に大きく影響しますが、一体どう考えるべきなのか難しいところです。

甲州の品質は高いが
日本ワインを代表する品種といえば、たしかに甲州です。甲州のほとんどは山梨県でつくられています。
一部他県でもつくられていますが山梨県産甲州を使用したものや、おそらく今までの甲州にはない特徴があるといった理由から評価されているものがある程度で、結果的には山梨県=甲州といったイメージでしょう。
大手ワインメーカーなどは甲州を徹底的に研究し尽くしており、世界でも権威あるワインコンクールで最高の賞を受賞するに至っています。
甲州ワインはもはや世界のワインコンクールの常連であり、ここまでくるとブルゴーニュのシャルドネに比肩する存在、そうイメージさせるレベルになってきているのではないでしょうか。
しかし、本当にそこまで知名度が高いのでしょうか。
また、コンクールで最高賞を獲得したら輸出が圧倒的に増えるのか。
これもまた、疑問です。

展開が本当に難しい
例えば、ジャパニーズウイスキーはむしろ日本で簡単かつ安価に購入できないようなレベルになっています。
品質や希少価値が世界で認められ、スコッチやカナディアンなどに比肩する知名度となっている状況です。
一方、コンクールが開催される毎に、“日本ワインが快挙!”といったニュースを見かけますが、だからといって本当に世界で注目されているかは眉唾ものでしょう。
生産数が圧倒的に少ないといった部分もありますが、それはジャパニーズウイスキーも同じです。
そもそも、フランスや各国で酒離れが進んでおり、ワイン自体が高齢者のお酒といった認識となってきているところも問題かもしれません。
ビール、カクテルがトレンドであり、ただでさえあまり銘柄に興味を持たない若者たちが、日本の謎のワイン(しかも高額)を手に取ることはあり得ないと考えます。
国内でも日常的に飲める日本ワインと言いながら価格帯は2,000円を超えており、物価高やアルコールを愉しむ方、収入の状況などから手に取れる人はごくわずかです。
しかし、日本ワインはさらにクオリティを上げワインコンクールを目指すわけで、価格はより高くなりガラパゴス化していく可能性もあります。
大衆受けか、尖っていくか。本当にこれからの日本ワインがどうなってしまうのか、微妙に危惧してしまいます。

