ネゴシアンに悪いイメージ?ワイン造りにおいて欠かせない存在です!

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日本人はブルゴーニュワインが好きといったイメージが強くあります。

単一品種であり、大規模生産者ではないドメーヌといった存在がメインであることも多いかもしれません。

日本に輸入されているワインの多くがドメーヌを名乗っていますが、じつは世界的にはネゴシアンと呼ばれる企業や生産者が多く、逆をいえばこういったネゴシアンのワインの方が多いと考えることもできます。

ここでは、ネゴシアンの魅力について解説しましょう。

ネゴシアンは悪いイメージ?

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ドメーヌとは、自社畑を持ち、自ら育てたブドウを自らが醸造するスタイルのワイン生産者のことです。

一方、ネゴシアンは自社のブドウではなく栽培農家などからブドウを購入し、それを原料としワインを造る生産者となります。

全て手作りといったものと、ブドウは任せるといった方法からか、日本ではネゴシアンのイメージがあまり良くありません。

しかし、ネゴシアンだから美味しくないといったわけでもありませんし、ネゴシアンだから手を抜いているといったわけではありません。

例えば、一流寿司店の寿司職人が米や酢を一から手掛け、さらに利用する魚を捕まえに漁港に行ったりしているでしょうか。

一流の職人は、逆に目利きを鍛える必要があり、すでに存在しているものの中から、どういったものを選び抜くのかが重要です。

ネゴシアンはこれと同様で、目利きがものを言うある意味で職人気質な生産スタイルでもあるのです。

逆によい品質の可能性がある

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ワインファンに多いのが、ドメーヌだからここだわりの良いブドウを使い、ネゴシアンだから悪い低質なブドウを使っているといったイメージです。

しかし、ドメーヌだから良いブドウになるとは限りませんし、厳しいヴィンテージの時でも自社畑のブドウを使わなければなりません。

そもそも、ブドウ栽培初心者であれば品質が悪くてもドメーヌといった名前だけで商売ができてしまう恐れもあるのです。

一方、ネゴシアンはどんなに悪いヴィンテージであっても、その中から最良のものを選び出し使うことができます。

逆をいえば選ぶ立場にあることから、毎年最良のブドウをチョイスしてワイン造りに生かせるといったことになるのです。

もちろん、醸造にも手をかける時間が長いですし、さまざまなスタイルのワインを生み出すことも可能です。

こういった理由からも、ネゴシアンはドメーヌに劣っているわけではないことがわかるのではないでしょうか。

サスティナブルなワイン造りができる

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ドメーヌもネゴシアンも、今はサスティナブルなワイン造りを心がける時代になりました。

自分たちだけがその時儲けられればよいといった発想は古く、これから先数百年ブドウ栽培、ワイン造りを続けられる環境づくりが求められています。

さて、ネゴシアンは悪いイメージと伝えましたが、じつは大変サスティナブルなワイン造りに貢献していると考えられます。

まず、フランスはもとより、ワイン醸造家以上にブドウ栽培農家が多く存在しています。

仮に生産者が全てドメーヌになってしまった場合、ブドウ農家は収入が無くなってしまうことになるのです。

ネゴシアンは、ブドウ農家がつくる良いブドウを選別して購入するため、当然高く売るためにブドウ農家は切磋琢磨します。

さらに、環境問題に取組まない農家は自然淘汰されていき、優れたブドウ農家が増えていくこともネゴシアンがいるからこそです。

ネゴシアンにも目を向けよう

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ネゴシアンの中には、優れた生産者が数多く存在しています。

ドメーヌでありながら、一部のワインはネゴシアンとして製造していたり、有名ドメーヌが自社畑のブドウをネゴシアンに販売することも珍しくありません。

ネゴシアンは悪いイメージではなく、あくまでワイン生産スタイルのひとつです。