ワインとクラウドファンディングは相性抜群!懸念点もある?

近年、世界中でワイナリーがクラウドファンディングを行っています。
ワイナリーだけでなく、ワインの輸入業者や実業家やワインづくりに魅せられた方がクラウドファンディングを行うなど、ワインとクラウドファンディングは切ってもきれない関係性となり始めています。
莫大な資金が集まるわけではないものの、それでも数百万円、1000万円以上といった金額の支援を受けているプロジェクトもあるようです。
ワインとクラウドファンディングの関係性について考えます。
ワインとクラウドファンディング
ワインとクラウドファンディングには接点がないように感じますが、じつは案外相性が良い関係性だと言われています。
ここでしか飲めないワインを輸入したい、画期的なワイングッズを広めたいといったケースもありますが、主にワイナリーに運営維持や規模拡大、新ワイナリーの建設といったかたちのクラウドファンディングも成功例が多いようです。
ワインは、それを好きな方にとって特別な存在であり、応援したいといった方が多いジャンルになります。
飲食店の方もそうですが、完全な飲み手といった方は国内で富裕層が多く、自分に使うよりも人へ投資したい、いわゆるパトロンのような気持ちで応援できるところが特徴です。
明日、自分がどうなるかわからないといった人よりも、余裕で資産を投資に回せる層がターゲットであるワインはクラウドファンディングのような、“応援してもらう”仕組みと大変相性が良いと考えられるでしょう。
日本でも活発!
クラウドファンディングは、今や日本でも当たり前のような存在となりました。
出始めの頃は、人にお金をもらって事業を立ち上げるようなズルいやり方と揶揄されたものの、株式会社と同じようにリターンを用意して応援者を募るわけですから、それをきっかけに成功すれば新たなサービスがひとつ生まれ経済循環にもつながるでしょう。
また、クラウドファンディングの支援者は強制的に支払いをするわけではなく、不要であれば支援する必要はありません。
支援された人、支援したい人がマッチングしやすいワインのような種類は、まさに相性抜群と言えます。
その証拠に、日本国内ではワイナリー建設やブドウ畑の開墾など、人生における一大イベントをクラウドファンディングによって達成しようとする方たちもいます。
実際にその想いは支援者に届いており、1000万円以上の資金を集めるようなケースも珍しくなくなりました。
頼り続けることになるか?
クラウドファンディングは素敵なことですが、一方で注意点もあるでしょう。
ワインは簡単に儲かる商売ではないため、新しいことを始めたいと思っても資金調達が難しい商材です。
ワイナリーを建設して醸造免許を取得しても、大幅な黒字運営ができるまでは時間がかかりますし、簡単な商売ではないのです。懸念材料としては、一度でもクラウドファンディングで補えた経験から、“困ったらクラファン”といったケースに陥る生産者などが増えるのではないかといったところでしょう。
ファンが支援するのであれば良いかもしれませんが、集めたお金を使うだけ使いなくなったらクラウドファンディング、数万円の寄付でも1本数千円(原価数百円)のワインを数本送れば支援者は喜ぶわけですから、おいしいやり口と捉えられてしまいます。
ワイナリーブームが去った後、ワインとクラウドファンディングはどうなってしまうのか。
今後の展開を、注意深く見守っていきたいと思います。