若いワインが人気!?ワインファンなら長期熟成ワインも飲んでおきたい!

ナチュラル系のワインが人気を博している昨今、ワイン会でもそういったワインが人気を博すようになっています。
また、ナチュラル一本のワインを求めている方であれば、より洗練されたピュアで美しい、透き通ったようなワインを求めているかもしれません。
一方、そういったワインは長期熟成とは別の軸で評価されるワインであり、多くが若くして飲まれています。ただし、ワイン好きの中には長期熟成ワインを好む方もいるでしょう。
優劣をつけるわけではありませんが、長期熟成ワインの魅力もあらためて考えてみてはいかがでしょうか。
若いワインが増えている?
近年、若いワインが増えていると言われています。
その理由はさまざまですが、ナチュラルで化粧をしていないピュアなワインが増えていること、飲みやすく安価なワインが売りやすいこと、長期熟成はコスパが悪いこと、食事とのペアリングが重視されていることが関係しているようです。
ワインの長期熟成は、そもそも論として費用がかさみます。適した環境で適した熟成をさせなければなりませんし、失敗したら全ておしまいです。
そのリスクを背負ったからといって、熟成をほぼさせないワインと価格を数倍変化させるわけにもいかず、生産者としてはコスパが悪いと考える声もあるようです。
できてからスピーディーに売れた方がお金周りもよくなるわけで、価格も控えられるため買い手としても好都合かもしれません。
しかし、まだまだ熟成のポテンシャルがあるワインを、すぐに飲み切ってしまうのはワイン好きとしては少し寂しいもの。
中には、悶々としているワイン通もいるのではないでしょうか。
長期熟成ワインの魅力
長期熟成ワインの魅力は熟成による口当たりの変化や複雑性、長い余韻といったところで語られます。
また、長期熟成といったストーリー性も手伝ってか、特別なワインを楽しんでいるといった気分に浸れるものです。
しかし、長期熟成ワインの魅力は、あと一つあります。
それが、長期熟成に耐えるだけのブドウの質、またそういったブドウ品種が楽しめるというところです。
カベルネ・ソーヴィニヨンも若いものが出回りますが、やはり長期熟成させるためにはより質にこだわり育てなければなりません。
ワインも若いうちはギシギシしているでしょうが、一方でそれだけ美味しさの要素が詰め込まれており、それが長期熟成によって飲みやすくなれば美味しさも倍増というわけです。
価格も高くなりますが、だからといってスペインやイタリア、ドイツの長期熟成ワインが天文学的な価格といえばそうではないでしょう。
下手をしたら、ブドウ栽培1年目の日本ワインの自称ドメーヌが手掛けたワインの数分の1の価格で手に入れることが可能です。
コスパが悪いと思われていますが、満足度を考えれば間違いなく長期熟成ワインに軍配が上がるでしょう。
ワインの醍醐味を知る
長期熟成ワインが良く、若いワインが劣るというわけではありません。
それぞれ、棲み分けができるべきで、一方的に礼讃される状況は避けたいというところです。
そもそも、長期熟成ワインの魅力として、それだけの長い歴史がなければ長期熟成ワインをリリースできません。創業2年目のワイナリーで、10年熟成ワインが生み出されていたら禅問答レベルです。
つまり、裏を返せば自信を持って長期熟成ワインをリリースできるワイナリーは老舗であり、信頼と名声を勝ち得ているといった評価になります。長期熟成ワインを知ることは、ワインの醍醐味を知ることにもつながるでしょう。
世間のトレンドに流されず、長期熟成ワインをチェックしてみてはいかがでしょうか。