ワインは産地を探求して飲む!ワインの魅力を楽しむための飲み方!

ワインは地域と結びついている、そんな話を耳にしたことはないでしょうか。
ワイン好きの中には、ひとつのワインメーカーのワインが優れていることでそのメーカーに集中しがちですが、本来はその産地に注目し、歴史やテロワール、そしてどういった活動をしているのか目に向ける必要があります。
ワインをより深く楽しみたい方は、ぜひその産地についての深掘りをしてみてはいかがでしょうか。
ワインは一人勝ちではない
ワインを生産するにあたって、どんなワインメーカーであっても売れるワインをつくりたいと考えることでしょう。
とくに巨大なシャンパーニュメゾンの場合、産地の魅力をアピールするものの、やはり人気銘柄におけるブランド価値を高める広告宣伝をするため、消費者も美味しさよりは、“そのワインメーカーのイメージ”で楽しんでいる部分があります。
ワインの楽しみ方はひとそれぞれであり自由ですが、“あのワインが美味しい”、“あの生産者が魅力的”、“高く評価されている銘柄を追う”といった飲み方だといつか、ワインに対して、“美味しいと言われているか・有名か・人に自慢できそうか”といった飲み方になってしまうでしょう。
生産者もあの手この手で、“ブランドづくり”に力を入れますが、ワインは一人勝ちではなく産地で売るといった考え方にしていく必要があるかもしれません。
産地で戦う
今、ワインの世界では産地で市場に立ち向かおうといった動きが活発化しています。
例えば、フランスやスペイン、イタリア、ドイツなどのワイン大国はワイン産地が山ほどあり、自分のワインをアピールしなければ埋もれてしまうでしょう。
また、日本を含めたワイン新興国のワイン生産者はボルドーやブルゴーニュに比肩するワインをつくる、テロワールを表現するためにヴァンナチュールをつくりカルト的な人気を得ようとします。
大切なことですが、ワインは産地としてしっかりと世界的に認識されていないと、サステナブルなビジネスが難しくなってしまうでしょう。
自分のところだけがカルト的人気になれば良い、ほかワイナリーがダメなら一人勝ちだ、それではいつか産地としての価値がなくなり産地が育たなくなります。
イタリアなどではDOC別に協会や産地で連合が組まれており、自分の産地だけでなくはその周辺のエリアの協会などと統合しながら産地の歴史やテロワールをアピールすることに力を入れるようになっています。
とくに国際市場で勝負する、生産本数が多ければ輸出が重要ですので産地で戦う必要があるのです。
産地の理解がワインを楽しくする
例えば、Aという産地があった場合、おそらくそこで最も有名な生産者のワインを飲むことになるでしょう。
しかし、その生産者のワインだけがその産地の味ではありませんし、そもそもこの産地でなぜこういったワインが生まれるのか、ほかにはどんなワインがあるのか、そこを探究していくことでワインがより楽しくなります。
とにかく高級ワイン、話題のワインをかたっぱしから飲み干すといった考え方もありでしょう。
しかし、例えばドイツのアールなどの産地の個性を知ろう、歴史を知ろう、生産者別の味わいを楽しんでみようと考えれば、アールという産地の特徴が掴めます。
結局、ワインを何万本飲んでもひとつの産地の歴史やテロワール を理解できていなければ、それはただの暴飲であり文化を飲んでいないと考えます。
生産者や有名銘柄だけを意識するのも良いですが、まずは産地の特徴から、その産地の味を探求するワインの楽しみ方にチェンジしてみてはいかがでしょうか。