ワインには賞味期限がない?ワイン会で使えるちょっとした豆知識!
ワイン会に参加した際、「このワインが欲しいのですが、賞味期限はいつまでですか?」と主催者に訪ねる方がたまにいます。
たしかにワインは食品ですので賞味期限が気になる方が出てくるのは当たり前のことです。ワインには賞味期限がなく、腐ることはないというのです。
逆にワイン業界やワイン通の方であれば当然の知識でもあるため、ワイン会で恥をかかないためにも、「ワインの賞味期限」について知識を入れておきましょう。
ワインには賞味期限がない?
私たちが普段接している食品の多くは、賞味期限が存在します。ワインも食品ですので、放っておけばいつか腐ると思っている方もいるかもしれません。
しかし、ワインには賞味期限がなく、あるのは飲み頃だけなのです。なぜワインには賞味期限がないのでしょうか。
天然の防腐剤
ワインはブドウ飲みを原料とした醸造酒であり、亜硫酸塩など特別な添加物以外は使用できない特殊なお酒です。(製造工程での使用は認められている)
ワインにはポリフェノールや有機酸など、多種多様な成分がふくまれています。
これらは抗酸化作用や酵母菌の増殖を抑制するなど、天然の防腐剤のような役割を担っているため、ワイン自体が腐っていくことはないわけです。
腐ったようなワインを見たことがあるけど…
しかし、こういった話をすると“自分が昔飲んだワインは腐ったような味わいがした”とか“ワイン生産地に行った時、ダメになっているワインを見かけた”といった意見も出てくるでしょう。
仮にワインが腐敗するとしたら、それは外部から細菌などが入ってきて増殖したと考えられます。
スクリューキャップや王冠であれば透過性が低いことから、外部の細菌はほとんど侵入ができません。
一方、コルクや抜栓後に放置されたようなもの、何らかの理由でワイン中に細菌や汚染酵母が混入した場合、ワインはそれらの影響で腐敗してしまいます。
しかし、これは決してワインが自ら腐ったわけではなく、外的要因といえます。また、だいぶ酸っぱくなってしまっているワインというのは、基本的に酸化減少により酢酸が増加しただけであり料理酒などには利用可能です。
例えばワインビネガーをそのまま飲む人はいないように、そういった味わいに変化していったと考えるのが理にかなっているでしょう。
ワインは熟成できる
そもそも、ワインは10年以上、へたをすれば100年以上熟成させることができるお酒のひとつです。
とくに60年前のワインなど今のような添加物自体が存在していませんので、古ければ古いほどそのブドウの力による熟成と考えることができます。
そもそもワインはアルコールですので細菌が生きにくく、その環境で多種多様な成分が分解されていくため味わい深くなります。
ワインの賞味期限について考えるのであれば、“熟成できるワイン”の存在についても頭に入れておくべき必要があるでしょう。
特別な造られ方をしている…といった意見もありますが、良心的なワイナリーであれば500円のワインも20万円のワインも、ブドウ果汁と酵母だけで造られています。
高いから長持ちする防腐剤が入っているどころか、高級ワインはほとんど人的介入がなされていないことから、長持ちしないはず。それでも熟成できるのですから、ワインの力は侮れないということがわかるのです。
飲み頃を聞こう
冒頭でお伝えしたように、ワイン会で出会ったワインを購入する際は、“賞味期限”ではなく、「飲み頃」を聞きましょう。
このワインはどの程度熟成させたらより美味しく飲めるのか、またどのくらい飲み頃が続くのか、でもよいでしょう。