ワイン会に行く前に知っておきたい!「シャンパーニュ」の製造方法とは?
ワイン会でも大人気のワインといえば、「シャンパーニュ」。スパークリングワインの代表格であり、とくに日本人は無類の“泡好き”としても有名です。
さて、そんなシャンパーニュですが、「瓶内二次発酵」という特殊な製法で造られています。
カバなど有名スパークリングワインの中にも同製法から造られているものもありますが、全てはシャンパーニュが基礎。
ここでは、簡単にシャンパーニュの製造工程についてお伝えしていきます。
一次発酵とアサンブラージュ
ここでは、一般的なシャンパーニュの造り方をお伝えしていきます。
まず、原料となる原酒を造るために一般的な白ワインの製造からスタートです。特別なシャンパーニュ(ミレジムなど)ではない場合、ここで造られた原酒は数種類の原酒とアサンブラージュ(調合)されることになります。
メゾンが目指す味わいを目指すもので、多くがその比率は門外不出とされています。
アサンブラージュされたワインは、シュール・リーなどを経てそのまま瓶内に閉じ込められます。
瓶内二次発酵
冒頭、シャンパーニュは瓶内二次発酵で製造されているとお伝えしました。
その名がつけられているのは、前述したように一度通常の白ワインを造った後に瓶内で二回目の発酵がおこなわれるからです。通常、液体をアルコール発酵させると炭酸ガスとエタノールが生成されます。
一般的な発酵であればそのまま炭酸ガスは空気中に放出されますが瓶内二次発酵の場合、瓶内から逃げられない状況です。
そのため、瓶内のワインは炭酸ガスがそのまま液体に融解している形となり、スパークリングワインが生成されるのです。ちなみに、二次発酵する際は瓶内にワインと酵母、ショ糖が一緒に入れられます。
ルミアージュ
このまま放置しているだけでは、よいスパークリングワインは誕生しません。
徹底した環境のもとで管理されるほか、ルミアージュと呼ばれる作業が定期的におこなわれます。ルミアージュとは、「動瓶」を意味する作業で、瓶底に溜まった澱を瓶の口元に落とすためにおこなわれます。
実際、体に害は一切ないのですが透き通った美しいシャンパーニュを消費者は求めていることや、澱など酵母が残っていると再発酵が起こってしまい瓶が爆発してしまうことがあるからです。
デゴルジュマンと門出のリキュール
ルミアージュが終了したスパークリングワインは、次にデゴルジュマンという作業に移されます。
デゴルジュマンとは口抜きを意味する言葉で、瓶口に溜まった澱を一気に放出させる作業です。これをすることで瓶内から澱が取り除かれ、美しいシャンパーニュが完成します。
しかし、デゴルジュマンをした後のシャンパーニュは多少目減りしているため補充が必要です。そこで行われるのが、リキュールの添加です。糖分を含んだワインがシャンパーニュに添加され、甘さなどが調節されます。
コルク出栓やラベル貼りをする最終工程であることから、「門出のリキュール」などとも呼ばれています。
熟成が魅力
シャンパーニュはこれで出荷されますが、基本的に瓶内二次発酵に入る前のシュール・リーの際、一般的なシャンパーニュは15ヶ月、ミレジム(ヴィンテージ入り)は3年間最低でも熟成させなければなりません。
さらに、特別なシャンパーニュになると5年、10年といった期間熟成されるものもあります。
今回はかなりざっくりと解説しましたがシャンパーニュは製造するために最低でも15ヶ月以上はかかるため、大変手間がかかるスパークリングワインとなります。熟成されているからこそ深みと複雑性を感じ、さらに高額になるのです。