ワイン会で使える知識!長期熟成ワインより若いワインの方が魅力的!?
ワイン好きには、「ワインは長期熟成された方がよいワイン」と考えている方が少なくありません。
もちろん熟成を経たワインは素晴らしいものが多いですが、一概に熟成を経ていないワインが劣っているということではありません。
ここでは、ワイン会でも使える豆知識として、熟成ワインとそうでないワインの価値についてお伝えしていきます。
熟成されたワインの特徴
そもそも熟成されたワインとは、どんなワインなのでしょうか。
ボルドーやブルゴーニュ、シャンパーニュ、ローヌなど、高級ワインを製造する産地では、10年20年、30年以上の熟成を経たワインも存在します。
熟成ワインの特徴は、味わいがまろやかになったり、タンニンがとてもシルキーになり複雑性が生まれるなど、若いワインでは味わえない液体になっているところ。
しかし、熟成を経たということはポリフェノールなどが化学反応で分解されて淡い味わいになったり、酸化によって味わいが劣化するなど、メリットばかりではありません。
ただ、味わい深さのないヒネた味わいのワインになってしまうものも多く、熟成されているから価値があるといった考え方は避けた方がよいでしょう。
若いワインの特徴
若いワインというと、ボージョレ・ヌーヴォーのような早飲みワインを想像する方も多いかもしれません。
若いワインというのは製造されてから間もなく市場に出回ったワインで、熟成ワインと比較すると爽やかで軽快なものが多いようです。
若いワインについて、“深みがない”といった評価をする方もいますが、近年ワインの潮流として“エレガントで繊細なワイン”が求められており、無理に濃いワインを造る生産者が減少しています。
そもそも熟成をさせないことを前提にしているワインも多かったり、できるだけ飲みやすいワインを市場が求めている可能性もあるでしょう。
幅広い食事に合わせやすいといった側面からも、今若いワインが求められているのです。
熟成ワイン礼賛は注意?
熟成ワインの魅力のひとつが、やはり長年熟成という神秘の時を経てきた…といったストーリー性です。
素晴らしいワインは熟成されているものも多く、その味わいやストーリー性は若いワインにはない魅力を放ちます。
しかし、前述したように熟成させるためにはブドウ選びやタンニン・酸味が強い状態で醸す必要があり、若いワインで飲むために造られていない場合があります。
そのためすぐに飲めなかったり、逆にその目的で造られていないワインを熟成させると強烈に劣化してしまうといったデメリットもあるのです。
本当に美味しいワインを飲みたいといったマニアの方には、熟成させているワインはほとんど劣化しているだけ…といった意見を持っている方もいます。
ワインは熟成させてなんぼだ、といった意見は今の時代は少し古い考えになってきているかもしれません。
若いワインはピュアなワイン?
近年、ヴァンナチュールなどをはじめとした、ナチュラル系のワインがトレンドです。
さらに天然酵母で醸していたり、できるだけ人員の介入を避けた、ブドウ本来の味わいを大切にしたワインを造る生産者が少なくありません。
こういったワインの一部は長期熟成も可能ですが、あまり熟成させるとブドウ本来の個性が無くなっていき、ピュアな味わいとはほど遠い出来映えになってしまいます。
また、ナチュラル系のワインでなくても、亜硫酸塩を少なくしたり、抽出を控え目にするなど繊細なワイン造りが主流。
その際、長くても5年以内に飲んだ方がその造りの醍醐味を味わえるのです。
自分の舌で確かめていく
長期熟成ワインが至高といった考え方は、おそらく人からの受け売りといった場合が多いかもしれません。
ワインと付き合っていくのであれば、若いワイン、そして長期熟成ワイン、さらに双方のワインで劣化してしまったワインなど、いろいろなワインを確かめてから答えを出すことが重要です。
そのためには、ワイン会への参加が必須。