あらためて今、コルクかスクリューキャップか!?
ワインを選ぶ際、コルクかスクリューキャップか、気にしていない方も多いかもしれません。
スクリューキャップのワインが登場した頃、コルクかスクリューキャップかといった議論が世界中で巻き起こったものの、今となればあまり話題に上がらないようなぐらいスクリューキャップのワインが広がってきたと言えます。
しかし、あえて今、もう一度コルクとスクリューキャップのワイン、どちらを選ぶべきか考えていきましょう。
コルクにも種類があることを知る
ワインとコルクは古くから関係を築いている、いわば切っても切れない関係性と言えます。
コルクは、コルク樫の樹皮を原料としているもので、弾力性と伸縮性があるためワインボトルの口に入れることができ、さらに水分を透過させない性質があるため液漏れを防ぎます。
また、微量に空気中の酸素を透過する特徴を持つことから、瓶詰め後も緩やかな酸化熟成をさせることができるなど、ワイン栓としてはもっとも優れている存在と言えます。
一方、その特製を持つのは天然コルクで、コルクといっても出回っているものはさまざまです。
コルクのクズを集めて作ったものや化学製品、さらには天然コルクの性質を持ちながら安定生産できるものなど、その種類はさまざまです。
そのため、コルクと一口に言っても特性が違い、ワインの質によっても使用されてるものが違うのです。
スクリューキャップはコルクと遜色なし
スクリューキャップが出回り出した頃、安っぽいワインといったイメージがありました。
コルクが使用されているものが高級ワインであり、スクリューキャップは安価な1,000円以下のワインに使用されているものといったところで、たしかに品質の高いものとしての認識はありません。
しかし、オーストラリアやニュージーランド、カリフォルニアなどをはじめとしたニューワールドと呼ばれる場所では、スクリューキャップで数万円のワインなどが登場しており、その品質の高さは世界でも認められているところです。
なぜ、スクリューキャップがコルクよりも劣ったかたちで認識されていたかというのは、おそらくコルクのように熟成ができない、還元的な香りが出てしまうからといった部分だったかもしれません。
しかし、数十年経過した今、スクリューキャップもコルクとあまりかわらない熟成を経ることがわかっており、さらに品質が安定しているので安心して熟成させることがわかりました。
スクリューキャップも、コルクと同様の扱いになり始めているのが実情です。
スクリューキャップが増えるか?
高級ワインは、今もなお天然コルクを使用したかたちで利用されています。
しかし、スクリューキャップがしっかりと熟成させることができるとなった今、そこまでコルクの重要性が薄れてきている可能性はあるでしょう。
コルク の中でも科学的に中身の成分をチェックできるタイプが出ていますが、それであればスクリューキャップにしてしまった方が使いやすい可能性があります。
もしかしたら、今後ボルドーやブルゴーニュの超高級ワインを醸すワイナリーが、実験的にスクリューキャップを採用するかもしれません。
そして、それが当たり前に美味しいとなった際、世界中の生産者がスクリューキャップを採用するといった可能性は十分にあり得ます。
ただし、ソムリエが抜栓する格好よさ、さらにソムリエナイフのメーカーがだまってはいないでしょう。コルクを販売するメーカーも反対するはずです。
今後、スクリューキャップとコルクがさらに対立する可能性は頭に入れておいていいかもしれませんね。