クラフトワインとは何か?大手・小規模問わず自由なワイン?

近年、クラフト〇〇と呼ばれるお酒が注目を浴びるようになりました。
とくになじみ深いのはクラフトビールかもしれませんが、クラフトサケ、クラフト焼酎、クラフトジンといったかたちで、全てのお酒にクラフトがつけられるようになっています。
さて、数あるクラフト〇〇ですが、クラフトワインと呼ばれるものもあるようです。
そもそもクラフトワインとはどんなワインを指しているのか、その内容を考えていきましょう。
手作りがクラフト?
ワインには、赤や白、ロゼ、オレンジといったさまざまなものがあります。
そして、それらワインをつくっているのは大企業から中規模の企業、個人といったかたちでさまざまな規模感での展開です。
ワイン好きの方たちの場合、ワインづくりをする生産者というと、大手企業か小規模生産者といったかたちで区分けしているかもしれません。
しかし、ここ近年はクラフトワインと呼ばれるジャンルが存在し始めており、クラフトワインを専門としているショップもあらわれているようです。
そもそもクラフトとは、手芸品、工芸品、民芸品などと日本語で訳されており、いわゆる高度な技術を駆使してつくられる美術品といったかたちで定義づけられています。
これを考えると、クラフトワインも高度な技術で丁寧につくられているワインと考えることができ、それをつくるメーカーがクラフトワインメーカーと呼ばれていると考えるとわかりやすいでしょう。
大手ではない小規模ワイナリーがクラフトか?
クラフトワインは世界的に若者に人気を集めており、ニューヨークでも小規模な都市型ワイナリーが若い方を中心に注目されているといったニュースがありました。
大衆化された大手企業のつくるワインではなく、あくまで小規模でこだわり、哲学が詰め込まれたワインがクラフトワイナリーとして人気を集めているといった部分があります。
また、日本ワインではクラフトワインといった言葉が多く聞かれており、ワイナリー自体が自らのつくるワインを、クラフトワインと呼んでいるケースも多々見られるようです。
そうなると、クラフトワインは小規模なワイナリーが独自の哲学でこだわり抜いてつくられたワインとなり、大手業者の生み出す、“売るためのワイン”とは一線を画しているといったイメージになるかもしれません。
しかし、大手企業も本数限定のこだわりのワインをつくっているため、それらもクラフトワインと定義しても良いかもしれません。
しかし、ある程度の本数があっても手作りであればクラフトであり、それらはクラフトと呼ばないというのも難しいところでしょう。
クラフトワインは自由なワインだった?
上記の定義に当てはめると、クラフトワインは小規模生産者が手がけるこだわりのワインといったかたちになります。
しかし、世界にはクラフトワイン協会と呼ばれる機関があり、その定義は市販されている限定生産のワインといったことになるようです。
地元産で手作りされており、そこにはスパイスが入ったり、ハーブを入れたり、さまざまなフレーバーをワインに加えたものといったかたちで、厳密にはワインではないワインもクラフトワインに含まれています。
大手企業が工場でつくるワインが多く見られますが、世界的には家族経営のワイナリーも多く、それらはクラフトワインではないと考えるのも無理があるかもしれません。
さらに大手だったとしても、こだわりの独特なフレーバーを研究した少量生産の地元産ワインであればクラフトワインと定義できる可能性もあるでしょう。
クラフトワインというと、異様に特別な印象を抱きますが、選ぶ際にはそれ相応の冷静な判断が必要となるかもしれません。