ロゼブームがやってくる前に知りたい!製法と品質の違いを解説!

ロゼワイン4

ここ数年、話題になっているワインがロゼワインです。

日本でも数年前からブームが到来すると言われてきましたが、まだまだ浸透しているとは言い切れず、業界関係者も頭を悩ませているところかもしれません。

そんなロゼワインには、大きく分けて3つの製造方法があり、それを知らないことにはロゼワインを選ぶことができません。

今後やってくるかもしれないロゼワインブームに備え、ここではロゼワインの製法をあらためておさらいします。

ロゼワイン1

高級ロゼワインはセニエ

ロゼワインなんて、どれも同じ。そういったイメージを持っている方も意外に多いかもしれません。

しかし、残念ながら赤ワインや白ワイン同様、製法によって大きくその存在価値が変わります。

まず、高級ロゼワインに採用されている製法の多くがセニエと呼ばる製法です。

セニエとは血抜きを意味する製法であり、果皮に浸しているぶどうから果汁のみを抜き取るといった方法になります。

なぜセニエが高級ロゼワインにカテゴライズされるかというと、大変贅沢な造りだからです。

一度、赤ワインと同じように果皮と種子、果汁を浸漬させますが、そこから果汁だけを抜き取って白ワインと同じように醸すのです。

やや渋みなども感じられるワインになっているため熟成能力もあり、樽熟成にも耐えるパワーを持っています。

外観は濃いロゼ色になりやすく、フルボディタイプのロゼワインとなります。

赤ワインに近い味わいを持つことからも、高級ロゼワインとしてカテゴライズされていると考えられるでしょう。

ロゼワイン3

混醸法

数あるロゼワインの中での飲みやすさでいえば、混醸法で造られたロゼワインに軍配が上がるでしょう。

基本的に、セニエに近しい製法ではあるものの、黒ブドウだけではなく黒ブドウと白ブドウが使用されているところが特徴です。

本来、黒ブドウの果皮に含まれているアントシアニンの影響によって果汁は赤く染まりますが、白ブドウも混ざっているためその色が淡くなります。

さらに、白ブドウ由来のフルーティーな甘みと風味、酸味が加わることからバランスの良い味わいのロゼワインが仕上がるのです。

全体的に色合いは淡く、さらに爽やかでフルーティーといった特徴を持ちます。

辛口ロゼワインであっても、比較的馴染みやすい味わいに仕上がるのではないでしょうか。

ロゼワイン2

直接圧搾法

直接圧搾法は、端的に言えば黒ブドウを白ワインのように醸したロゼワインになります。

原料となるのは黒ブドウのみで、優しくプレスした時に得られる果汁を使ってロゼワインが造られます。

セニエに近い印象を持つ方も多いかもしれませんが、直接圧搾法は醸しをほとんどしないところが特徴です。

セニエの場合、一度果皮と種子、果汁で醸したものを果汁だけ抜き取る製法と説明しました。

しかし、直接圧搾法は醸しの時間をあまり取ることなく、圧搾した際に得られる果汁だけで得られるエキスをアルコール発酵させます。

色合いもやや淡く、さらに味わいもそこまでパワフルではない繊細な印象に仕上がります。

直接圧搾法を採用する生産者は多く、その醸しのタイミングや抽出のバランスによっても味わいの個性が大きく変化するところが特徴でしょう。

生産者による個性が非常に出やすいロゼワインなので、カジュアルなものから高級品まで幅広いスタイルが用意されています。

このように、ロゼワインは製法ひとつで味わいや品質が大きく変化します。

一概にピンク色のワインといった評価ではなく、その製造工程にも目を向けてみながら選ぶことをおすすめします。