ワインはラベルデザインで選ぶべき?その実情を考えた!
ワインを楽しむ際、ラベルデザインで選ぶという方もいるかもしれません。
ワインは、それ単体でおしゃれなイメージを与えるものですが、ラベルもアーティスティックなものが多い印象です。
そのためか、ラベルの印象のみでワインを購入する、“ジャケ買い”的な方がいるのも不思議ではありません。
しかし、ワインはラベルデザインだけで選ぶべきものなのでしょうか。本記事では、ワインのラベルデザインについて考えてみたいと思います。
ラベルが派手なワインは美味しくない?
ラベルが派手、またはアートな雰囲気のワインは美味しくないといった意見もあります。
その理由はシンプルで、ワインの味わいではなく、その見た目で消費者を呼ぶことに力を入れているから…という見方があるからです。
しかし、実際に美味しくないワインをラベルでごまかすといった話はあまり耳にしませんし、逆に力を入れているワインだからこそラベルにもこだわるといった生産者が多い印象ではないでしょうか。
日本酒の場合、若い蔵元などがアーティストなどとコラボして奇抜なデザイン発表しますが、実直なつくりを重んじる蔵元のクラシカルなデザインを好む層もいます。
一方、ワインはクラシカルであろうがなかろうが、そこに品質の差異はなく、自由に選んでも問題ないと考えられるのではないでしょうか。
情報がわからない?
ワインラベルにこだわり過ぎるものよりも、シンプルなものが好きといった方もいるでしょう。
実際、スペインワインなどはアートラベルが多いですが、全体的にワインはクラシカルなラベルを使う生産者が圧倒的に多いようです。
ワインの場合、とくにヨーロッパはラベルにその情報がほぼ全て記載されていることから、あまり奇抜なデザインにすると消費者が困惑するといった思惑があるかもしれません。
例えば、ブルゴーニュは、どの村や畑でつくられているものか、どの生産者か、ヴィンテージはいつかなど、ラベルに記載します。
相当有名な生産者であれば別ですが、あのロマネコンティであっても、特段特別なデザインにはしていません。
むしろ、ワインファンはその文字などの情報から価値を見出し、選んでいるのです。
限定的に特別なワインにアートデザインなどが施されることはありますが、それもごく一部となります。
ワイン好きからすると、“ラベルが主張し過ぎていて、その中身がよくわからない”といった不満があるのかもしれません。
ワインの面白さを難しさ
ワインラベルはクラシカルな方がわかりやすいといった意見もありますが、一部特殊な事例もあります。それが、ボルドーのムートン・ロスチャイルドです。
同シャトーは、ボルドーの第1級シャトーとしても有名で、ワイン好きであれば世界中で知らぬ者はいないトップランクのワイナリーです。
ムートン・ロスチャイルドは、1945年から芸術家とコラボレーションしたアートワインラベルをシリーズ化しており、さらに現代芸術家に焦点を当てていることから毎年誰とコラボするのか話題になるほどです。
さらにその芸術家は、ダリやミロ、シャガールといった世界的画家ばかりであることから、まさに飲む絵画といっても過言ではない代物でしょう。
しかし、これもまた特殊中の特殊であり、ムートン・ロスチャイルドと理解できるため人気があると考えられます。
芸術的であることはよいことですが、どんなワインなのかよくわからない…といった部分は、なかなか難しいところなのかもしれません。
まとめ
ワインはラベルに追いつこうとするため、素敵なラベルデザインであればワインも美味しくなるといった生産者もいます。
あくまで、それは視覚から捉えられる脳の認識かもしれませんが、そういったデザインを楽しむこともひとつの手段でしょう。
ぜひ、一度ワインをジャケ買いしてみた際、期待した味わいだったか確認してみてはいかがでしょうか。