意外に知らない?ワインと日本酒の違いとは?
ワインというお酒を理解する上で重要なポイントのひとつが、「日本酒とは違う」といった視点です。
もちろん、誰もが日本酒とワインの違いは理解できるでしょうが、具体的に何がどう違うのか説明しろと言われた際、はっきりと答えられない方は多いはずです。
本記事では、ワインと日本酒の違いについて解説します。
ワインと日本酒の性質の違いを知ることで、よりお酒の世界が深まっていくことは間違いありません。
原料などの違い
ワインと日本酒の大きな違いは、原料です。
誰もが知るようにワインの原料はブドウで日本酒は米ですが、より詳細にみていくと原材料などに違いが見られます。
まず、ワインはブドウ以外の原料を使用することはできません。
シナモンやリキュールなどが入るワインは厳密にはワインではなく、混成酒となります。世界的な法律に照らし合わせるのであれば、ワインはブドウ以外の原料を利用できず、あくまで亜硫酸塩やソルビン酸といった安定剤的な役割を持つ添加物のみに限られます。一方、日本酒の原料は米ですが、それとともに米こうじ、水を原料としています。
また、種類によっては醸造アルコールと呼ばれる原料を利用することもあります。
このように、ワインと日本酒は原料からして違いがあるといったところを理解しておくと面白いかもしれません。
醸造法の違い
ワインと日本酒は、アルコール発酵を行うといったところでは一緒です。
さらに、一度醸造したなんらかのお酒や原料を蒸留してつくられる蒸留酒ではなく、醸造酒といったところも一緒になります。
しかし、ワインと日本酒はその醸造法に大きな違いがあるところをしっかりと理解していきましょう。
ワインの場合、極端にいえば原料ブドウさえあればワインとして製品化することができます。
その理由は、原料となるブドウにはアルコール発酵に十分な当分を有しており、さらに果皮などに酵母が付着しているるためです。
一般的には、原料に乾燥酵母を投入した上でアルコール発酵が始まりますが、オーガニック系の生産者はそれらを使用せずに天然酵母の力でワインを醸すといった方法を取ります。
一方、日本酒の原料となる米はそれ単体からはアルコール発酵ができません。まず、米に含まれているでんぷんを糖化するために麹が用いられ、そこに酵母を投入した上でアルコール発酵となります。
糖化、そしてアルコール発酵が同時に行われていることから、日本酒の場合は並行複発酵となり、ワインはブドウのみで製造できるため単発酵と呼ばれているのです。
カテゴリの違い
ワインは赤・白・ロゼ・オレンジ、スパークリングなどさまざまな種類があります。
さらに、リキュールを加えたフォーティファイドワインなども存在しているように、日本酒と比較すると種類が多い印象です。
しかし、日本酒にも米の精米歩合と原料で決まる純米酒や本醸造酒などのカテゴリがあるほか、スパークリングもにごり、生酒など種類が豊富です。
ひとつ注目したいのが、ワインの場合はシンプルにつくられますが、日本酒は火入れをおこなったり最終的にアルコール度数などを下げるために仕込み水などを使うところです。
ワインは、水を利用することはできません。
あくまで、ブドウから出た果汁のみでつくられるのが前提となります。
一方、日本酒は製品化されるまでにさまざまな工程を経ており、かなり複雑です。
ワインが世界中で普及する一方、日本酒は99%日本のみでつくられている理由もそこにあります。
まとめ
ワインも日本酒も、その違いを知るだけで味わい方が大きく変わってくるはずです。
味、見た目、アルコール度数が違うことはわかっても、その中身がどう違うのか理解できるか否かでその味わい方は大きく変化してくでしょう。
ぜひ、最低限の知識でも良いので仕入れておいてみてはいかがでしょうか。