冷涼産地や温暖産地を優劣つけないで!その理由を解説!

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ワイン産地は今、冷涼な産地を求める傾向にあります。

しかし、ワイン自体は温暖な産地で造られた方が健全になる可能性があり、冷涼なだけが良いとは限りません。

ワイン会などにいくとエレガントで洗練された味わいのワインが評価される傾向ですが、そうでないワインが劣っているといった認識は危険でしょう。

本記事では、冷涼な産地のワインと温暖な産地のワインの特徴を押さえつつ、どういった選び方をすべきか解説していきます。

冷涼な産地が人気な理由

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ワイン産地の中で冷涼な産地が人気の理由は、エレガントで繊細、さらに哲学的な味わいとなるところが関連します。

ワインの原料はブドウであることから、そのワインの個性を決めるのは、ほぼブドウの状態であると考えることができるでしょう。

ブドウは成熟の過程で糖度と酸度が高くなっていきますが、糖度がピークに達すると急激に酸が落ちるといった特徴を持ちます。

また、ポリフェノール量なども成熟スピードに関連することから、そのバランスを取るのが大変難しいと言われているようです。

冷涼な産地の場合、平均気温などが低いことから糖度の上がり方が大変緩やかであり、酸を残したままでバランスの良いブドウを収穫することが可能になります。

さらに冷涼でありながら日照量が多いことでフェノール量や香りの量が多くなることから、全体的にエレガントで複雑性のあるワインを仕上げることができるのです。

また、糖度は控えめになることも手伝ってか、ワインにおけるほかの要素がマスキングされないところも魅力でしょう。

冷涼な産地のワインが人気の理由は、まさに上記のようなワインが仕上がるからです。

温暖な産地のワインも本来は魅力

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一方、温暖なワイン産地のワインはどうしても金額的なところから見て、冷涼産地のワインより下に見られている傾向です。

わかりやすいのがイタリアワインで、北部にはバローロやバルバレスコ、アマローネといった高級ワインがある一方、南部のワインはコスパ抜群と表現されるものが多い傾向となります。

イタリア南部は温暖な気候が特徴であり、「陽気で楽しいワイン」といった表現がなされることが多いようです。

しかし、この特徴を考えると糖度が高く果実味に溢れ、まるでジュースを飲んでいるようなわかりやすいワインといった判断もできるでしょう。

こうなる理由はシンプルで、温暖で乾燥、日照量も多いため糖度が上がりやすく、さらにカビなどにおかされにくいため健全なブドウが収穫できるからです。

ただし、大量にブドウを収穫できればそれ相応の品質のワインになりますし、糖度重視であれば酸度やフェノール量も減少し、複雑性に特化したいワインとは言いにくくなるでしょう。

しかし、ワインはそこまで複雑さが必要であり、高額でなければならないのでしょうか。

温暖な産地のワインはわかりやすいと言いますが、飲みやすいワインこそ美味しいワインと捉えることもできます。

さらに、温暖だからといって複雑性がないわけではありません。土壌組成や醸造、ブドウの収量を減らしているなど、こだわることでより品質の高いワインが生産可能です。

さらに、環境が良いことが手伝ってオーガニックなワインを生み出しやすく、ナチュラルなワインを安定供給できるといったメリットもあるでしょう。

冷涼、温暖といった部分に優劣をつけるのではなく、あくまで双方にメリットがあることを理解しておくことが重要です。

まとめ

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冷涼な産地のワインも、温暖な産地のワインも、どちらも魅力的です。

どちらか一方が優れていると言われれば、誰もがそれが正解だといった判断をせざるを得ません。

評論家や業界の判断も重要ですが、大切なことは自分がどう思うかでしょう。

ぜひ、そのあたりを考えた上でワイン会に参加してみてはいかがでしょうか。