これこそ大人のワイン!デザートワインの魅力を今こそ知ろう!
ワインには、さまざまな種類があります。
私たち日本人にとってワインと言うと辛口ワインに馴染みがありますが、近年デザートワインへの注目度も高まってきているようです。
ワイン会においてもデザートワインが登場する機会が多く、それに対して「ただ甘いワイン」といった認識では少し恥ずかしい思いをするかもしれません。
本記事では、今後大きな話題になっていくであろう、デザートワインの特徴などについて解説していきましょう。
そもそもデザートワインとは何?
デザートワインと聞くと、スイーツのようなワインと想像する方もいるかもしれません。
呼び名だけで考えるとその認識は間違っていないのですが、デザートワインは甘口ワインのことで、特別デザート時に飲むことが指定されているワインではありません。
世界でつくられているワインのほとんどはドライな辛口ワインですが、自然の糖分を残したデザートワインは古くから世界中で愛されています。
冒頭でお伝えしたように日本では甘いワインはワインが飲めない人のお酒といったイメージかもしれませんが、デザートワインこそワインに詳しい大人のワインです。
なぜデザートワインが、大人のワインと言われているのか、その理由を下記で解説していきましょう。
洗練された甘口
甘口のワインは、ドライなワインよりも甘く飲みやすいワインです。
しかし、日本で売られているような香りづけと砂糖が添加されているようなワインとは一線を画す、全く別のワインと考えた方が良いでしょう。
まず、ワインはブドウのみでアルコール発酵が行われる単発酵と呼ばれる種類の醸造酒です。
ブドウには天然の糖分がたっぷりと含まれているため、搾汁した後の果汁に酵母を入れるとアルコール発酵が自然に行われます。
一般的なブドウに含まれている糖分の場合、酵母が使い切れるアルコール度数は約15%ほどで、15%を超えるアルコール度数になると酵母自体が液中で生きることはできなくなります。
そのため、ワインは多くても15%ほどのアルコール度数となるのですが、甘口ワインの場合はそうではありません。
より糖分を高めた特殊なブドウを使用したりアルコール発酵を途中でストップさせるなど、高い栽培テクニックと醸造テクニックが必要となります。
また、デザートワインは甘いだけでなく複雑な香りと風味、さらにシャープな酸味が残っていることが求められるお酒です。
ただ、ワイン果汁に砂糖をたっぷりと入れた甘いワインではないため、デザートワインが大人のワインと呼ばれる所以なのです。
種類が豊富で世界が深い
デザートワインには、多種多様な種類があります。
一般的に糖度を高めるために遅摘みされたブドウを使用した遅摘みワインが主流だったり、アルコール発酵を途中でストップさせた中甘口ワインなどが多いですが、高級ラインになると原料ブドウから変わってきます。
藁の上で乾燥させてブドウの糖度を高めるデザートワインは、甘さよりもドライさが感じられながら、その味わいの複雑さは一般的なデザートワインとは一線を画します。
また、自然の寒さであえて樹上でブドウを凍らせたままで収穫するアイスワインは、自然条件が整わない限り収穫できないため非常に高級です。
そして、世界最高峰のデザートワインとして知られている貴腐ワインは、全ての栽培条件が整わない限り収穫できない貴腐ブドウが原料となります。
一般的なブドウと違い水分が完全に蒸発した非常に糖度の高いブドウを使用するため、その量も相当なものになり、醸造させる時間もかなり長くなりまります。
貴腐ワインの場合、1本数十万円以上するものもあるなど、まさに液体の宝石です。
このように、デザートワインは決して初心者のためのワインではありません。
その存在感、そして味わいの複雑さ。
すべてが大人ためのワインなのです。