ボルドーを楽しむなら右岸!あらためて探求したくなる産地!
ワインにハマり出した方であれば、定番のフランスワインでも多種多様な産地、ほかヨーロッパ各国のワイン、新世界ワインをチェックしているかもしれません。
そん中、さまざまなワインを知るとボルドーは重すぎるといったことで避けている方も出てくる傾向です。
しかし、さまざまなワイン産地を旅してきた方だからこそ、ボルドーの魅力を再発見するべきでしょう。
本記事では、ボルドーを飲むなら右岸。その理由について紹介していきます。
ボルドー右岸がアツい
ボルドーは、フランス南西部に位置するワイン産地です。ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュといった三大ワイン産地のひとつで、メドックの格付けを筆頭にさまざまな格付け制度を今もなお残す、キング・オブ・ワイン産地といっても過言ではない場所です。
そんなボルドーですが、甘口ワイン産地を除き、じつは産地は大きく左岸と右岸で分けられています。
ボルドーには多くの川が存在しており、主要の河川はジロンド川です。
ジロンド川の下流に行くとドルドーニュ川、ガロンヌ川といったかたちで分かれるかたちとなり、ワイン産地をその川に向かって左を左岸、右側を右岸といったかたちで分けています。
1級シャトーなどメドックの格付けシャトーなどが位置しているのが左岸であることから、「ボルドーワイン=左岸」といったイメージが今もなお根強い印象です。
しかし、繊細さとエレガントさが求められている近年、ワイン通からはさらに右岸のボルドーワインが注目されています。
時代に合った魅力
ボルドーの左岸と右岸の大きな違いは、主体となる品種の違いです。
左岸は、比較的砂礫の土壌が多いことからカベルネ・ソーヴィニヨンに適した産地であり、ほとんどのシャトーがカベルネ・ソーヴィニヨンを主体としたブレンドで製造しています。
黒ブドウの王者と称されるカベルネ・ソーヴィニヨンですが、タンニン量が大変豊富であることから長期熟成タイプのワインが多く、とくに優れたシャトーでは5年以上熟成をベースとしたブレンドで造られています。
一方、右岸は粘土質土壌が主体であることからメルローやカベルネ・フランに適した産地です。
カベルネ・ソーヴィニヨンを利用するシャトーもありますが、メルロー主体、カベルネ・フラン主体のワインが造られています。
長期熟成にも適しますが、比較的若くてもまろやかな味わいが楽しめるほか、すみれのアロマが特徴のカベルネ・フランが主体であることから、華やかな香りを楽しむことも可能です。
タンニンは左岸と比較して穏やかでシルキー、パンチ力よりは全体的にエレガントな印象のワインが多くなります。
今の時代、パワフルで果実味が強い長期熟成ワインは一部の愛好家のみが評価するところで、全体的にエレガントなタイプが好まれている傾向です。
右岸はエレガントとはいえパワフルな要素も持ち合わせていることから、バランスタイプ。
ボルドーの右岸は、力強さをしなやかさを兼ね備えた、理想的な赤ワインを生み出す産地でもあるのです。
探究したくなる産地
ボルドーの右岸の主要産地は、サン・テミリオンとポムロルです。
サン・テミリオンは世界遺産でも有名な産地ですが同産地にも格付けが存在します。
ただし、サン・テミリオンの格付けは数年に1度見直されるため、メドックのように不動の格付けを維持できません。
つまり、今本当に格付けするに相応しいワインだけが残されているのです。
また、ボルドーのポムロルと言えば、シャトー・ペトリュスやシャトー・ル・パンなどが位置する、世界最高峰のワイン産地としても知られています。
しかし、非常にユニークなのがポムロルには格付けが存在していないところです。
つまり、ワインの評価だけで生き残っているシャトーだけであり、まだまだ探究しがいのある産地ということになります。
ボルドーの魅力を知るのであれば、右岸を知らなければ始まりません。
ぜひ、ボルドー右岸の魅力をチェックしてみてはいかがでしょうか。