AIソムリエはアリか?どう付き合っていく?

近頃、飲食店やデパートなどの一部でAIソムリエなどの人工知能サービスが導入されるようになりました。
AIソムリエは、出るべくして出たような存在ですが、顧客の要望する膨大なデータから探し出し、好みの1杯を提供してくれるわけですから便利と言えば便利でしょう。
しかし、AIソムリエの登場によって今後ソムリエの世界はどのように変化していくのか不安を抱えている方もいるかもしれません。
ここでは、AIソムリエについて考えていきたいと思います。
AIソムリエは優秀
AIソムリエは、一言でいえば優秀です。私たちがソムリエに抱くイメージはさまざまですが、基本的にワインにおける膨大な知識を所有しており、飲食店でおすすめのワインを提供してくれるワインのプロフェッショナルといったイメージではないでしょうか。
しかし、AIソムリエが出てきたことでソムリエの仕事がなくなるかもしれない、そう考えた方もいるでしょう。
私たち人間では蓄積できないほどの情報を仕入れ、さらにどんどん進化するAI機能によってユーザーのさまざまな情報からワインを1杯提供してくれるわけです。
なんといっても、ワインの知識は間違いなく正解であり、お客と問答することすらしません。“こんな若い者が”とワイン愛好家の高齢の方もAIに怒っても意味ありません。
まさに、AIソムリエは優秀な存在と言えるでしょう。
ワイン初心者には楽しい
AIソムリエと聞いて嫌悪感を覚える人がいたとしたら、おそらくワインが大好きな方でしょう。
ソムリエとの会話は正解・不正解などではなく、その日の気分などで変わりますし、思わぬ1杯を提供してくれワイン談議に花が咲くといったところが楽しいところです。
さらに、ソムリエの人柄がファンをつかむポイントであり、選ばれているワインはどこでも飲めるものですが、そのソムリエに会いに行くといったことで来店される方も大勢いらっしゃることでしょう。
AIソムリエのように命が吹き込まれていないものに提案されても、美味しくとも嬉しくともなんともない、これがワイン愛好家の意見かもしれません。
しかし、世の中の大多数の方はワインに詳しいわけではありません。
さらに、美味しいと思われる1杯をもらえれば良いわけで、AIソムリエとの会話を楽しみたいわけではないでしょう。
そもそもワインの知識がなければ会話も難しいですし、受け手として勉強したといった程度。
世の中のワイン初心者のお客様にとってみれば、AIソムリエは緊張しないですし安心してワインが飲める存在なのかもしれません。
AIソムリエは増える
近年、飲食店などでも人手不足が問題になっています。
それはスーパーやデパートも一緒で、それを補うためにAIソムリエを導入する店舗もあるようです。
今後、さらに人手不足が加速していけばAIソムリエが増加傾向になることは間違いなく、よく行く近所のスーパーにもAIソムリエが登場する日もそう遠くない未来起こるのではないでしょうか。
私たちワインファンにとってAIソムリエは寂しさも感じますが、上手に付き合っていくことでワインの幅を広げられる可能性は十分にあるでしょう。
そもそもAIソムリエに知識を導入するのは人間ですし、今後は本当に素晴らしいソムリエ以外は淘汰されるかもしれません。
世界で最もソムリエ資格を所有する人が多いと言われている日本で、生き残れるソムリエがどれだけいるのか、その状況を見守るのも良いのではないでしょうか。