ここ近年のトレンド!ペットナットはなぜ人気なのか?

近頃、自然派と呼ばれるワインが人気を博しています。
その中でも、とくにこれらジャンルを愛する方に人気のワインが、ペットナットと呼ばれているワインです。
あまり耳慣れないワインだと思われるかもしれませんが、今巷では大ブームを巻き起こしているワインのひとつでもあります。
ペットナットとは何か、そして何がそこまで魅力的なのかお伝えしていきましょう。

ペットナットとは何?
ペットナットとは、ペティアン・ナチュールの略であり、アンセストラル方式でつくられているワインを指しているようです。
ペティアン・ナチュールと呼ばれるとわかりにくいですが、英語にすればナチュラルスパークリングワインとなり、自然派発泡性ワインということで理解すると良いでしょう。
そもそもアンセストラル方式とは何か、ここから説明しましょう。
アンセストラル方式とは、古くリムーで始まったとされる醸造方法ですが、一次発酵中のワインを途中で瓶詰めすることでナチュラルに瓶内二次発酵が可能になるといったものです。
このアルコール発酵の途中で瓶詰めしてしまうといったところがキモで、この製法から本当のナチュラルなスパークリングワインとして注目されています。

何が特別なのか
ペットナットは、どこがどう特別なのでしょうか。
瓶内二次発酵と言えばシャンパーニュやカバ、フランチャコルタといったイメージですし、そちらで良いのではないと考える方も多いでしょう。
二次発酵といった部分ではシャンパーニュと同様ですが、そのつくり方やアプローチが自然であることがペットナットが人気を集める理由です。
例えばシャンパーニュは、特別なヴィンテージではない限り複数の原酒を混ぜ合わせた後に砂糖と酵母が瓶内に封じ込められ、二次発酵が行われています。
一方、アンセストラル方式はワインを一次発酵中に瓶詰めしてしまうため、原酒をブレンドという発想ではなく、普通にスティルワインを途中で二次発酵させるといった方式です。
また、一次発酵の途中なのでワイン中には糖分と酵母が残されており、何かを添加するといった製法ではありません。
その自然なアプローチだけに、生産者の多くは有機ブドウを使うことも多く、人的介入も最小限にするため昔ながらのナチュラルなワインとして仕上がります。
この、自然派なアプローチこそがアンセストラル方式から生まれるペットナットの魅力なのです。

味は美味しいのか?
ペットナットのように自然派なアプローチでつくられるワインの場合、多くの方が味わいに疑問を感じるかもしれません。
たしかに、ペットナットは清澄作業も行わないことも多く、白濁したりファンキーな香りだったり、品質的に微妙なワインは少なくありませんでした。
しかし、近年その品質にこだわる生産者が多くペットナットを手がけるようになり、クリーンな味わいのものがかなり増えています。
さらに、ペットナットが人気な理由がアルコール度数が低いところでしょう。
10%を下回るペットナットがほとんどで、気軽に飲めるため強いお酒が苦手な方でも気軽にアプローチできます。
赤、白、ロゼ、オレンジ、使用品種も自由で世界中でつくられている。
こういった、とにかく自由なところもペットナットが人気を博している理由と考えられるのではないでしょうか。

