新しいワインを探しているなら黒ブドウからつくられる白ワインを知ろう!
ユニークなワインを探しているといった方の中には、できるだけ新しい生産者、さらにはナチュール系、超限定ワインといった部分を軸にしているかもしれません。
それもひとつアリなのですが、一方で黒ブドウからつくられている白ワインをチェックしても面白いのではないでしょうか。
通常、白ワインは白ブドウからつくられますが、なぜ黒ブドウからもつくることができるのか、そのポイントについてお伝えしましょう。
黒ブドウから白ワインなんてあり得るの?
黒いブドウから白ワインができるなんて、あり得ない。そう考えている方もいるかもしれません。
しかし、シャンパーニュなどスパークリングワインにはピノ・ノワールなど、黒ブドウを使用したものが少なくないことに気が付くでしょう。
赤いスパークリングワインであるランブルスコとは違い、シャンパーニュなどでは黒ブドウからしっかりと白いスパークリングワインが作られています。
これらスパークリングワインはブランドノワールと呼ばれますが、これらがつくれるのであればスティルワインもあるはずと考えるのは通常でしょう。
しかし、スパークリングワインを除いて黒ブドウからつくられる白ワインは世界の1%にも満たない可能性があります。
それだけ、希少価値が高いと言えるでしょう。
ワインの作り方をおさらい
黒ブドウから白ワインができる工程を知る前に、まずワインづくりの基本をおさらいしましょう。
まず、黒ブドウの場合は果皮と種子、果汁が一緒に醸されたマストと呼ばれるものが作られます。
それに酵母などを加えてアルコール発酵が行われ、最終的に果汁のみが取り出されて赤ワインとして仕上げられていきます。
一方、白ワインはフレッシュ&フルーティーな味わいが求められていることから、果皮と種子は圧搾の時点で取り除かれ、果汁のみがアルコール発酵へと回されます。さて、ここで気が付くかもしれません。
ワインが色づく最大の理由は、果皮に含まれているポリフェノールの一種であるアントシアニンであり、それを抽出するかいなか、それで色が変わるといった内容なのです。
ワインの色を決めるさまざまな要素は存在しますが、最も大きいのが果皮からのアントシアニン抽出であり、この量でワインの色がほぼ決まると言っても過言ではないでしょう。
すれば、黒ブドウを白ブドウのように醸せば良い。
まさに、黒ブドウから白ワインというのはそのように製造されているのです。
美味しいのか?
黒ぶどうからつくられる白ワインですが、そもそも美味しいのでしょうか。
果皮だけを取り除いているのだし、白ワインと同じような味わいがあるはずと考える人が多いかもしれません。
しかし、ワインの風味を決める要素は果汁だけではなく、果皮などの存在する風味化合物であり、酵母使いによっても大きく変化します。
黒ブドウもたしかに果肉だけを使えば白ワインができあがるものの、香りや味わい、タンニン量は一般的な白ワインとは違いがあるため、全く同じとは言い難いかもしれません。
さらに、中には白ワインのアロマティックな香りのないシャープすぎるものもあるため、想像とは違って微妙なものもあります。
一方、質の高い白ワインであれば香り豊かで酸も豊富、タンニンもほどよくあり、一般的な白ワインとは違う味わいを楽しめる場合があるのです。
日本ワインでも見かけますが、まずは世界レベルのものから試してみてください。
それからおいしいか否か、ご自身の感覚で決めていってみましょう。