ワイン中級者になったらこれ!土着品種を楽しんでみよう!
ワイン初心者の方の場合、まずはシャルドネやメルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンといった国際品種から始めるべきです。
基本的な味わいや国、産地などの違いをある程度理解した上で、より高いレベルへと進むといった流れが一般的でしょう。
さて、そんな初心者の抜け出した次の段階にやってきた方におすすめなのが、土着品種です。
本記事では、土着品種の魅力についてお伝えしていきましょう。
土着品種とは何か?
ワインはブドウが全てといった話があるように、どんなブドウを使用するかによって品質が大きく変化します。
健全か否かといった意味での違いもそうですが、ブドウ品種が変われば香りや口当たり、余韻、さらにアルコール度数から全てが違ってくるため、ワインの個性を完全に決定づけるといっても過言ではないでしょう。
さて、そんな中で近年注目され始めてきているのが、土着品種です。
土着品種とは、その土地で古くから栽培されているブドウ品種で、場合によってはその土地に起源を持つブドウ品種でもあります。
「local variety」「local grapes」などと海外では呼ばれていますが、要するに「その土地で伝統的に栽培されてきた、地のブドウ品種」といったところでしょう。
土着品種は10,000種以上存在していると言われているなど、その数を追うことはかなり無理があります。
ただ、イタリアをはじめ土着品種の面白さはワイン通たちによって広められており、再発見といった意味でも中級者以上の方に、ぜひおすすめしたいアイテムといえます。
土着品種の魅力はどこにある
土着品種の魅力は、前情報がほとんどないこと、比較対象があまりないところに魅力があります。
通常、冒頭でお伝えしたような国際品種には、「基準」がある程度は存在するでしょう。カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローであればボルドーであったり、単一品種であればカリフォルニアやチリ、オーストラリアあたりが想像できます。
さらに、シャルドネやピノ・ノワールはブルゴーニュで、その品種特性に基準があるため大変わかりやすいと考えられます。
一方、土着品種はその土地でしか栽培されていない、または栽培されていても範囲は広くないため基準が難しくなります。
その難しさ、わからないところが魅力であり、「こんな味わいのワインができるブドウがあるのか?」といった新鮮な驚きを感じることができるのです。
これは、国際品種では感じることができない新しい発見と言えるでしょう。
歴史を辿る面白さ
土着品種に出会った時、何にも例えようのない味わいのものもありますが、やはりどこか国際品種に通じるような味わいを持つものが少なくありません。
なぜ、このブドウがこの土地で長く栽培されてきたのか、そしてなぜ今注目されているのか。そんなことを考えると、土着品種からその土地の歴史を深掘りしたくなってくるのです。
ワインを知る上で肝心なことは、銘柄をいたずらに覚えたりテイスティング能力を徹底して磨くということではなく、その土地の伝統を知ることだと言えます。
土地に感謝しながらワインを楽しむだけで、目の前にワインがより美味しく楽しめるというものです。
それを考えると、その土地の土着品種から郷土料理に興味が湧いてくるかもしれませんし、旅行してしまうかもしれません。
ワイン中級者にまで上りつめた方は、ぜひ次の段階で土着品種をチェックしてみましょう。