ワイン会で使える知識!日本ワインの銘醸地、山梨県の基本を知ろう!
日本ワインブームまっただ中。今後、ワイン会でも数多くの日本ワインと出会うことになることは間違いありません。
今、ワインは日本全国で造られており、有名産地だけでなくいろいろなものと出会えますが、やはり基本は重要。
ここでは、日本ワイン発祥の地といわれている山梨県の魅力についてお伝えしていきます。
産地としての山梨県
山梨県がワイン産地として優れている理由のひとつが、盆地であるところ。
さらに海風の影響や台風の影響を受けにくく、日中と夜間の気温差が大きいところなどが挙げられます。
また、傾斜地が多く水はけのよい土壌も多いことからブドウ栽培が古くから盛んであり、その栽培技術の伝承・進化を続けているところが山梨県の特徴です。
ワイン造りの歴史
山梨県のブドウ栽培は古くは江戸時代に遡ることができますが、本格的にワイン造りが始まったのは1870年頃。
明治3年頃に日本で初めて本格的なワインが醸造されて以来、数多くのワイナリーが増加していったといわれています。
ブドウ栽培と醸造が進化を続けていく中、産官学といった形で法的整備や資金援助などがおこなわれたことも山梨県が産地として成長していった理由のひとつです。
そして、2013年に初めて地理的表示「山梨」が誕生。フランスのブルゴーニュやボルドーのように、「原産地呼称」つまり、山梨県ブランドのワインとして売り出すことが明確になったことも大きいでしょう。
今、山梨県は歴史のあるワイナリーや新興ワイナリー、さらに新たなワインを造るユニークなドメーヌなど、さまざまなスタイルのワイン生産者がいます。
画一的ではない、独特のスタイルも日本一のワイン産地であり続ける理由ではないでしょうか。
山梨県の主な栽培品種
山梨県を知る上で欠かすことができないのが、栽培されているブドウ品種。
世界的に有名な海外品種も数多く栽培されているものの、飛び抜けて多いのが甲州とマスカット・ベーリーA。
とくに甲州においては日本で生産されている約9割は山梨県が栽培地であり、山梨県を代表する品種といっても過言ではない状況です。
マスカット・ベーリーAは開発の地である新潟県を遠く突き放す生産量で、こちらも日本一位。
どちらも日本を代表するブドウであり、そのほとんどが山梨県で栽培されていることを考えても、山梨県が優れたワイン産地であることがわかります。
また、甲州とマスカット・ベーリーAは、その品種を明記したワインを正式にEUに輸出できるOIVへの登録もされているなど、海外進出も期待されている品種。
日本を代表するブドウが、日本を代表する産地で造られている。山梨県は、アメリカでいうカリフォルニア、フランスでいうボルドーやブルゴーニュのような存在といっても過言ではないでしょう。
山梨県の主な栽培地やワイン
山梨県というと勝沼町が有名ですが、じつは数多くのエリアにワイナリーが点在しています。
まず、峡北エリア。ミサワワイナリーやミエイケノなど、ワイン通が知るワイナリーがいくつかある有名産地です。また、近年注目されている峡西エリア、峡南エリアもユニークなワイナリーが点在しています。
また、県庁所在地である甲府周辺の峡中エリアには、サドヤやシャトー酒折、ドメーヌ久、サントリーなどがある古くからの銘醸地。
そして、勝沼や塩山が位置する峡東エリアには新たな夢を追いかける新しいワイナリーも登場し始めているのです。
山梨県のワインはエレガントで和食と合うものが多いですが、香りやボディ感も近年しっかりとしたものが見受けられます。